最近、Jonathan Kew さんが XeTeX と XeLaTeX を発表しました。これらのプログラムは、TeX 文書内で Macintosh のフォントをじかに利用することができます。XeTeX と XeLaTeX は unicode によるソースが必要になりますが、それゆえすべての unicode 文字を取り扱うことができます ; たとえば、アラビア語やヘブライ語をソースコードに打ち込んで、アラビア語やヘブライ語の出力として見ることができます。TeXShop のエディタではこうした文字を右から左へきちんと入力できます。XeTeX は Gerben Wierda さんの配布する標準的な TeX には含まれていませんが、Wierda さんの i-Installer を使うことで、オプション・インストールとして Jonathan Kew さんのところから入手することができます。さらに詳しいことについては、以下でお調べください──

http://scripts.sil.org/xetex

これがどのように動作するのかを理解できるような、簡単な XeLaTeX のソース文書と出力結果があります。アラビア語とヘブライ語の文字は「システム環境設定」の「言語環境」で「入力メニュー」タブを選び、Arabic と Hebrew にチェックを入れます ; 小さな国旗がメニューバーに表示されるので、それを選択することでキーボード入力を切り替えられます。

_入力例

_出力例

TeXShop では現在すでに XeTeX と XeLaTeX をサポートしています:

こうした XeTeX の特徴は、TeXShop にタイプセットエンジンを追加する新しい一般的な方法の特例となっています。~/Library/TeXShop 内に「Engines」という名前のフォルダがあります ; このフォルダに入っているファイルは、タイプセット・プログラムを呼び出せるシェル・スクリプトです。TeXShop を最初に起動すると、このフォルダを調べ、ファイルのスクリプト名を加え、プルダウンメニュー「タイプセット」に含めます。この中から1つを選んでタイプセット・ボタンを押せば、スクリプトが呼び出されます。ユーザは自分で独自のスクリプトを書き、それを「Engines」フォルダに追加することができます。各スクリプトは、スペースを含まない名前で、拡張子が「.engine」となっており、実行可能なビット・セットがなければなりません。

~/Library/TeXShop/Engines 内にある項目は、デフォルトのタイプセット方式として、TeXShop の環境設定で選択できます。環境設定に表示される際には、拡張子なしの名称となることに注意します。

ソースコードの冒頭20行以内の1行に次のように書くことでデフォルトのプログラムを設定できます──

%!TEX TS-program = xelatex

任意のファイルを開いたり保存したりするのに用いるエンコーディング方式は、 以下のような書式をソース文書の冒頭20行以内に書き込むことで設定できます。 サポートされているエンコーディング方式のいずれでも可能です。この動作を回避するには、オプションキーを押しながらファイルを開きます。

%!TEX encoding = UTF-8 Unicode

%!TEX の後に1つ、等号記号の前に1つ、半角スペースを入れなければなりません ; エンコーディング名に含まれるスペースは、下記のリストにあるスペースと一致させてください。エンコーディング方式の名称は Mac OS X の内部で用いられているものです。以下が利用可能な名称のリストです:

上級向けのヘルプ
追加のタイプセットエンジン